「目利き」による需要予測とは?
消費財における新製品需要予測は,発売前に大規模なテストマーケティングを行うか,発売後のトライアル・リピートの関係から,発売後の予測を行うことが一般的です。特に,予測精度を上げるには,トライアル(初回購入)とリピート(2回目以降の購入)の数を把握することが重要です。しかし,最低でも13週間のデータを集める必要があり,売れないと4週間で棚落ちしてしまうコンビニなどでは,この方法は利用できません。別の視点による方法が必要です。
そこで,リードユーザーやマーケットメイブンといった先端層の研究を応用し,新製品の成否を判断できる「目利き」とされる消費者を利用できないかと考えました。情報化による消費者の情報格差を利用した,新しいマーケティング手法です。
基本的な調査フレームワークは,ネット上に「目利き」のモニターを設定し,そのモニターが発売前の情報(具体的にはプレスリリース)を見て成否を判断する方法です。
従来のテストマーケティングやグループインタビューなどの手法との根本的な違いは,
①大人数のモニターを用いるため客観性が高いこと
②公表されるプレスリリースを用いるため,
自社の商品だけではなくライバルメーカーの商品についても売上予測ができること
③現物を見ないで予測できる方法であること (サンプルを用意する必要がありません)
さらに,モニターという特性を活かすことにより,
④情報感度の鋭い人だけでなく,情報感度の鈍い人からの評価や支持率も計測して,
商品が衰える速さなど負の側面も予測ができること
が挙げられます。
清水聰『日本発のマーケティング』pp.195-227を要約・改変
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この需要予測方法は,読売広告社とマイボイスコム株式会社の協力により,「キキミミパネル 33-Voice」として構築されております。 従来の指標(市場シェア、POSデータなど)では判別できない「ブランド力」を定量的に把握し,ブランド診断や今後の課題抽出などを可能とします。
詳しくは,以下のリンクをご参照ください。
共同研究:読売広告社
http://www.yomiko.co.jp/uniqueness/33voice/index.html
リサーチ運営:マイボイスコム
http://www.myvoice.co.jp/menu/33-voice.html